夏のワインは緑色 vinho verde

私が愛したお酒たち
ポルトガルの緑のワイン、フランスのウオッシュタイプのチーズ。どちらもお気に入り。

こう毎日暑いと、ビールに続いて冷えた緑のワインが飲みたくなる。「緑?」と思う方もいるかもしれない。ワインは赤、白、ロゼの3種類だといわれているが、ポルトガルには「緑のワイン(vinho verde、ヴィーニョ・ヴェルデ)」があるのだ。といっても、見た目はやや黄色の白ワインである。では、なぜ緑のワインかというと、完熟前の若いブドウの実(つまり緑色だ)を摘んで作るかららしい。微発泡性で、若々しいすっきりしたワインである。1000円前後で手に入るのだが、裏切られたことがない。

ところで先日、道内のある道の駅で、地元のチーズを購入した。白カビタイプのやつだ。「緑のワインと合わせよう」と思ったのだが、開けてビックリ、このチーズ、全然おいしくないのである。過去最悪、かもしれない。切り口を見ると、外側に近い部分が相当干からびている。しかも、においが変だ。賞味期限までには1か月もあるのに。

翌日、道の駅に電話をすると、観光協会の方が恐縮して、「現品をクール便の着払いでお送りください」とのこと。その後、代わりの品(もちろん同じ種類のチーズである)と、別な種類のチーズまで添えてお送りくださった。そのお心遣いにはいたく感謝したのだが、くだんのチーズはやはり…。いや、多少はましだったのだが。

そのチーズ、実は外箱がない。紙で包んだ状態で売られている。その紙の内側をかいでみると、塩素のにおいがした。そうか、これだな。カビの繁殖を抑えるために、出荷時に真空パックにすればよい(少なくとも箱に入れる)のだが、このチーズはそれをしないため、塩素殺菌しているのではないだろうか。

観光協会の方には申し訳なかったが、結局、そのチーズを食べるのはやめた。代わりに定番のジェラールのウォッシュタイプ(フランス産)を食べ、緑のワインを飲んだ。清々しく、心地よいワインと、なめらかなチーズ。私は地産地消に協力するし、敬意も払っているが、その夜はポルトガルとフランスのマリアージュ(チーズとワインだけですが)が、何だかいつも以上に素晴らしく思えてしまった。

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