私が愛したお酒たち

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浦霞との相思相愛

「浦霞、品切れですか」「棚になければ、ないですね」実にあっさりした答えである。私は買いかごを下げで呆然と立ち尽くした。が、ない酒は買えない。思えばわが人生、色々とチャンスを逸してきた。愛されていたのに、それに気づけなかったこともあった。
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諸事情を飲み込んで

時にはメンツを捨てることも大切だ。そう思ったきっかけは、あるスーパーで男山酒造の「諸事情」が800円弱で売られていたこと。コロナでアメリカに輸出できなくなった純米酒が大量に余り、それを「諸事情」と名付けて格安で売り出したのだ。
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Mr.Summer Time あの夏酒

この酒、軽やかさの中に米の旨みを艶やかに秘め、甘露の清流のごとく舌をすべってゆく。わずかに酸味も感じる。宮城県の寒梅酒造の純米吟醸酒である。ボトルの裏に、なんとあの名曲「Mr.サマータイム」を歌ったサーカスからのメッセージもあるではないか。
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人生最高のビール

グラスに注がれたそれは、濁った琥珀色。泡もふわりと軽い感じがする。ひと口飲んで、驚いた。焼き立てのパンが液体になって、舌を撫でているのである。穏やかな炭酸、滑らかさ、香ばしい麦の香り。じわりと伝わってくるうまさ。しかも、ほんのりと甘い。
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愛のワインは恭しく

このメーカーはロミオとジュリエットの舞台となった地元の歴史をリスペクトしており、この愛の悲劇にちなんで「LOVE」とつけたのだという。こうなると、恭しく飲むほかあるまい。しっとりした舌触り、芳醇な香り、ほのかな甘みとしっかりしたボディ。
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残り物には福がある? 

先日、某デパートでお歳暮の売れ残り一掃セールがあった。詰め合わせ商品のばら売りだ。1本880円というお買い得ワインを、おば様たちが1人で5本も10本も抱えている。見たことのないブランドだが、ポルトガルの赤を発見し、私も思わずにやりとした。
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安来の地酒、月山を飲む

「月山 特別純米 出雲」を手に入れた。どちらかというと女性好みの、ほのかに甘い酒だが、しっかりとした芯のある上品なうまさがある。かすかに残る炭酸味といい、すっきりとした後味といい、飲んでいて実に気持ちがいい。
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安旨本醸造酒その1「上喜元 翁」

私の顔を見るなり、スタッフの方が「安旨の酒、入りましたよ」と、顔をほころばせて言う。高い酒を買わない客と、しっかり認知されているのである。で、薦めてくれたのが、「上喜元 翁」と「陸奥 男山 クラシックヌーボー」の2本。
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「酒一筋」(岡山)の思い出

この酒を初めて飲んだ25年ほど前はインターネットの黎明期で、「ご近所さんを探せ」というサイトがあった。知らない地域のことを問い合わせると、親切な人が返事をくれたりした。留萌の人に地元の風景写真を撮ってもらい、送ってもらったことさえある。
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息子からの贈り物

日本酒は「宗玄 大吟醸」と「加賀鳶 純米大吟醸」。宗玄は初めて飲む酒だったが、優美で繊細、キレもあり、実にきれいな酒だった。加賀鳶は強さがあり、こちらもいい。どちらも食中酒にするには惜しく、そのまま静かに口に含んでしみじみ味わった。
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