師匠からのクリスマスプレゼント

酒場物語

サンタクロースの不在を早く知ったわが子

今日はクリスマスイブ。サンタさんを待つ純真な子供たちもきっと、たくさんいるに違いない。振り返ると、私の子供たちは、小学校の低学年で、すでにサンタクロースの不在に気付いたと思う。なぜなら、私が子供たちの望むようなプレゼントを、与えなかったからだ。そのため、わが子たちはテレビゲームができず(高学年になって、友達のを借りてやっていたようだ)、人形遊びもあまりしなかった。まったく、冷たい親である。

私がどんなプレゼントをしたかは書かないが、世の中の流行とは無関係だったことは確かである。しかし、だからといって、子供がいじめにあうとか仲間外れにされるということはなかったと思う。また、ゲームに没頭もできず、その代わりにスポーツや釣りに打ち込むようになった。しょせん、ゲームはゲームである。なかにはゲーマーとして大成する子もいようが、それを目指すのもなあと思っている。

本を贈る

先日、ススキノで男酒忘年会と称する飲み会をした。師匠のほか、女性一人を含む全5人。平均年齢は60歳前後である。焼き鳥屋のカウンターに5人座り、それぞれ好きなものを注文して、飲むだけであるが、師匠が「はい、クリスマスプレゼント」と、一人ひとりに本をくれた。全員、違う本である。私には『日本史の黒幕』(会田雄二、小松左京、山崎正和の鼎談集)。この3人が縦横無尽に(つまり、好き勝手に)、日本史の黒幕たちについて語るというなかなか破天荒で肩の凝らない歴史本だ。

本を贈るというのは、相手が子供でなければ、もう珍しい光景ではないだろうか。そうした古き良き風習を、今も不肖の弟子たちに伝えてくれるところに、そして各人にふさわしい本を選ぶところに、師匠というものの偉大さがある。その晩は3軒も飲み歩く、大忘年会になってしまった。
ところで、私は手ぶらだったので、何かお返しをしなければならない。相手は恐るべき愛書家で、とんでもない蔵書家なので、もちろん本以外の何かである。ということで、日本酒かワインを持って、今週、一度お訪ねしたいが、結局、また飲んでしまいそうだ。まったく、12月は忙しい。

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