酒場物語

パリのイボンヌ(ススキノ・勝のやきとりにて)

いつもの店というのは、店主との呼吸が大事だ。ススキノの「勝のやきとり」の客席はカウンターの8席のみ。客はみな、店主の勝さんと相対して、語り合う。勝さんは俳優なので、しばしば会話がそのまま落語の演目みたいになってしまう。
酒のみの健康術

血圧のジェットコースター 180を超えた日

うわあ、と思わず叫びそうになってしまった。このひと月、どうも気分がすぐれず、頭も働かない(いつも以上に、という意味です)ので、ふと血圧を測ったのだ。なんと上が180超。10年ほど前の、仕事のストレスによる高血圧そっくりだ。
酒場物語

タクシーに手を挙げてススキノへ

5時前から、まず師匠の仕事場でビール2本、ワイン1本を空け、ふらりと外へ出た。町は黄昏、そろそろ街灯がともり始めている。場所は札幌駅の隣駅、桑園駅の近所だ。この駅の近くには、大規模な市立病院がある。タクシーを拾うために、手を挙げた。
旅のかけら

まるで海上洞窟「石崎漁港トンネル」(上ノ国町)

北海道の函館から車で約2時間。上ノ国町の石崎漁港は辺鄙な場所の小さな漁港だが、ここには「船のトンネル」と呼ばれている、海上トンネルがある。暗い洞窟のような空間の先に海を見るのは、太古の海人になったような奇妙に心を揺さぶられるシーンだ。
旅のかけら

小樽・海辺のカフェ、待つ時間

北海道の六月には、時おり楽園のような朝がある。小樽にあるしろくまコーヒー銭函店の奥は、海に面したテラス。パラソルがつくる日影に腰を下ろす。優しい手が肌を撫でるように、潮風がゆっくりとすり抜けていく。
「のんべい横丁」の人々

のんべい横丁の人々01 渋谷から釜石へ

東日本大震災から8年が過ぎた今、静かに粘り強く被災地を支援し続けた人々のことを記したい。渋谷の「のんべい横丁」の店主の有志が集まって、同じ名前のよしみで釜石の「呑兵衛横丁」を支援したのである。
私が愛したお酒たち

夏酒は青春の香り

夏酒は女性に人気が高いそうだ。しかし、人生の第四コーナーに差しかかり、終わった青春を振り返る、くたびれかけた私のような男にこそ、いっそう味わい深いのかもしれない。上川大雪酒造の「吟風」を使った酒を飲みながら、そう思う。
酒場物語

ススキノ ゼロ番地の客

ゼロ番地とは、すすきの市場の地下にあるススキノのディープな飲み屋街。一本の細い通路の両側に、小さな飲み屋、スナックなどが軒を連ねている。「ぼんてん」の女将は港町・留萌の出身だから、生きのいい魚が食べられる。
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