Mr.Summer Time あの夏酒

Mr.Summer Timeと蒸した白貝。白貝は鍋にすると、スープが絶品。 私が愛したお酒たち
Mr.Summer Timeと蒸した白貝。白貝は鍋にすると、スープが絶品。

この夏3回飲んだ酒

秋風が吹くこの頃に、夏酒の話もどうかと思うが、この夏に飲んで印象に残る酒の1つが、この「Mr.Summer Time」だった。最初に飲んだのは、おそらく「ぼんてん」ではなかったかと思う。その後、別の店でも、若い店長に薦められて味わった。で、寺家所近くの酒店に行ったらあったので、また買った。つまり、この夏3回も飲んだことになる。ひと夏の思い出としては、十分すぎる量である。

この酒、軽やかさの中に米の旨みを艶やかに秘めている。きりっと冷やして飲むと、甘露の清流のごとく舌をすべってゆく。わずかに酸味も感じる。宮城県の寒梅酒造(宮寒梅というのが代表銘柄らしい)の純米吟醸酒である。ボトルの裏に、なんとあの名曲「Mr.サマータイム」を歌ったサーカスからのメッセージもあるではないか。

サーカスからのメッセージ

ささやかな悔恨

数十年ぶりにこの曲を聴いてみると、子どもの頃は全く気付かなかったが(当たり前だ)、実に大人っぽい。「誘惑の熱い砂。ただ一つの愛に背いてしまったの」。なんて美しいハーモニーだろう。ところで、どうしてサーカスと寒梅酒造がコラボしているのか、ちょっとネットで検索してみたが、謎である。嫌味のない、透明感のあるおいしさが、あの歌声と響き合うのだろうと、勝手に解釈することにした。

Mr.Summer Timeは、余市で買った白貝の酒蒸しで楽しんだ。なかなかの好相性だったが、欲を言えばもっと透明感のある肴、たとえばヒラメの造りで飲んでみたかった。それともハモの湯引きはどうだろう。私のひと夏の思い出は、ささやかな悔恨とともにあるのだった。

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