安来の地酒、月山を飲む

私が愛したお酒たち

創業300年の老舗酒造

島根県安来市、言わずと知れた「どじょうすくい」の安来節の地である。そこで300年の伝統を誇るのが、「月山」ブランドを造る吉田酒造だ(このあたりのことを詳しく知りたい方は、同社のホームページをどうぞ)。先日、旅先の松江で「月山 特別純米 出雲」を手に入れた。予備知識はなく、ピンクのラベルが綺麗だなというくらいの理由である。

札幌に戻ってきて、さっそく飲んだら、びっくり。うまいのである。どちらかというと女性好みの、ほのかに甘い酒である。だが、しっかりとした芯のある上品なうまさがある。かすかに残る炭酸味といい、すっきりとした後味といい、飲んでいて実に気持ちがいい。すいすい飲んでしまった。

太鼓醤油は甘さが癖になる

この酒とともに、もう一つ掘り出し物があった。美保関の太鼓醤油店という小さな醤油醸造メーカーが作った「美保太鼓 本醸造再仕込 甘露しょうゆ」。その名前から想像がつくように、とろりとした甘い醤油である。この地の宿でのお刺身は、この醤油で食べたのだが、だが、この甘さ、癖になるのだ。というわけで、お土産にした。

自宅でボタンエビ、ツブ、マグロの刺身を、この醤油で食べてみる。特にエビと相性がいいようだ。白身の魚、貝類ともよく合うだろう。マグロとはまあまあかな。日本酒は最初、「上喜元 翁」にした。強い酒だが、甘い醤油との組み合わせも悪くない。そして、もちろん月山。軽やかな飲み口と甘めの醤油、淡白なツブが、何ともいいハーモニー。この酒の本領発揮といった感じだ。ワサビでもいいが、柚子胡椒にすると、香りの楽しみも広がる。松江から戻って、すぐに松江が懐かしくなった。

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