二日連続、同じメンバー

酒場物語

ママのリクエスト

ある土曜日のこと。私は師匠と、ススキノゼロ番地の「ぼんてん」に入った。ママがいなくて、土曜日だけ手伝いに来る女性(30代かな?)と、お客さんが一人、腰かけて飲んでいる。「あれ、ママは?」と聞くと、「ほかの店に行っているの。すぐ帰ってくるから」とのこと。待つこと数分、ママが帰ってきて、「あら~、久しぶり」と私にハグしてくれた(私としてはお手伝いの彼女のほうが嬉しいのだが)。

それはともかく、その晩も酔っていたので、あまり覚えていないのだが、「明日、師匠のところで飲もう」という話になったようだ。ママはこのブログを時々読んでいて、「あなたたち、楽しそうでいいわねえ」と言うので、師匠が誘ったらしい。こういうところが、師匠の優しさである。本人曰く「来るものは拒まず、サルトルは追わず」(念のための注…正しくは「去る者」です)。

翌日の日曜の5時半、私たちはそれぞれアルコールを持って師匠を訪ねた。師匠は得意メニューの一つ、カニ鍋を用意してくれた。最初にビールで乾杯、その後、師匠の「秋田晴」を一杯。味のしっかりした酒である。秋田の酒は甘いという印象があるが、これもそのうちに入るかな。その次は「鶴齢」の特別純米酒。これは秋田晴のあとに飲むと、ずいぶんあっさりと感じた。ママは日本酒を少し飲んでから、持参のサワーに変えた。

立っているものは師匠でも

話題はあれこれ飛んだのだが、ママがぽつりと「どんな男も、最初は優しいのよ。やっぱり飽きちゃうのかしら」と言った。ママも苦労しているのである。その上、先日はなれなれしい客が来たそうだ。「年上が好きだとか言っちゃって。それが、息子みたいな年なんだから。年上にもほどがあるでしょ」。そう思う。ママが再び「あんたたち、いいわよね。楽しそうで」と言うから、「ほんと。仕事もしないでね」と答えたら、「してないの?」と驚かれてしまった。いえ、少しはしていますよ。ママの店に行きたいために。

カニ鍋が終わったら、次は牡蠣を投入。最後はご飯と卵で雑炊に。師匠はママのリクエストに応えて、「お水ちょうだい」と言われれば、席を立つ。ママが「ああ、師匠を使っちゃった。ほら、立ってるものは親でも使えでしょ」と言う。師匠、「オレは立たないって」と笑った。三人ともバカですね。そんなこんなで、私たちは5時間かけてビール2本、日本酒2本、ワイン1本、サワー2本、ウイスキー少々を飲んだのでした。

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