旅のかけら

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いざ、小豆島へ その2 尾崎放哉記念館

西光寺というお寺の敷地に、あの「咳をしても一人」の俳人が最後に棲んだ住居がそのまま残っている。木造、二間の小さな庵だ。放哉は青年期に好きだった女性との結婚がかなわず、保険会社に入ったが酒で失敗を重ね、井泉水の紹介で西光寺にたどり着いた。
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いざ、小豆島へ その1 かぐわしい風

一生に一度はエーゲ海に行きたいと思っているのだが、その願いはかないそうにない。ならばせめて、日本のエーゲ海たる多島海、瀬戸内海に行こうではないか。ゴールデンウィーク前の閑散期を衝いて、コロナ禍も顧みず小豆島への旅を敢行した。
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赤目四十八瀧心中未遂の記憶

主人公の男性が励むホルモンの下ごしらえと言い、女性が生卵を飲むシーンと言い、どこかに肉の匂いを放つシーンがあり、それが最後の四十八滝巡りで、浄化されていく。そんなイメージが蘇った。
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松阪牛に向かない男

松阪市内のビジネスホテルに泊まり、地域クーポンが使える焼き肉屋へ。地元では安いので有名な店らしい。「松阪牛A5ランク」セット(1人前5000円ほど)を注文。人生初の松阪牛である。期待に胸の高まりも抑えきれない。
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今年最後の一人飲み

店主は「しかも、こんないいお客さんで締めくくれるんだから」と言い添えてくれた。私としては、母の故郷ではあるが、見知らぬに等しい街で、一人飲みのつもりが、こんな風に飲めるとは思ってもみなかった。店の名前は「ばぁやん」。
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カフカについてのかすかな思い出 a little memory of Kafka

プラハのカフカミュージアムに入ると、入口に小柄で、銀髪の品のいい老女がいた。パンフレットの売り子らしい。唇に指をあてて秘密だよといったしぐさで、「あなたがこのパンフレットを買ってくれたら、ただで入っていいよ」と言う。
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松江の居酒屋で王禄を飲む

3種飲み比べの超王禄はすっきりとした辛口純米。食中酒としてなかなかよい。丈経というのは、杜氏さんの名前らしい。うまみと強さがある。純米大吟醸酒は香りが華やかで、上品かつうまい。さらに「奥出雲ワイナリー」の「小公子」を一杯。
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インスタグラム詐欺 「カダフィの娘」とは?

A氏は「うまい話」に乗ってしまった。カダフィの娘が日本に住むために、A氏宛てに羽田空港に荷物を届ける。その荷物とは現金600万ドル。カダフィの娘の日本永住の手助けをしてくれたら、600万ドルの25%を報酬として渡すという話らしい。
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己のこころを彫る(安田侃彫刻美術館 アルテピアッツァ美唄)

世界的な彫刻家は、私の拙い質問に大変穏やかな語り口で答えてくれた。私はその後、アルテピアッツァで開催される「こころを彫る授業」に参加するようになった。2回ほど、安田先生直々に指導を受けたのだ。たいした作品はできなかったが、もう有頂天である。
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もしもマダニに噛まれたら

翌朝、仕事場でわき腹に違和感を覚えたので見てみると、ぷつんと赤く膨らんだものが。近所の皮膚科に駆け付けると、看護師さんが「足が見えますね」とひと言。マダニ間違いなし。医師が針のようなものでツンツンと20回ほど刺し、ピンセットで抜いてくれた。
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