いざ、小豆島へ その1 かぐわしい風

小豆島に向かってくるフェリー。土庄港ではないけれど。旅のかけら
小豆島に向かってくるフェリー。土庄港ではないけれど。

高松の夜は骨付鳥と吟醸酒国重で

一生に一度はエーゲ海に行きたいと思っているのだが、その願いはかないそうにない。ならばせめて、日本のエーゲ海たる多島海、瀬戸内海に行こうではないか。ゴールデンウィーク前の閑散期を衝いて、コロナ禍も顧みず(PCR検査は受けた)小豆島への旅を敢行した。まずは高松空港へ飛び、高松市内のビジネスホテルに宿泊。着いたのは夜8時と遅くなったので、どこかの居酒屋でもと思い、フロントのスタッフに「この辺の地図はありますか」と尋ねた。

親切な人で、「当ホテルから近いところでは、このお店が有名で評判です。もう一つ、こちらは庶民的な居酒屋です。骨付鶏で有名なのは、この蘭丸ですね」とマップを手渡しながら、教えてくれた。「ン? 骨付鳥?」。初めて聞くメニューである。ということで、徒歩5分ほどの蘭丸へ。人気店らしいのだが、時間が良かったのか、すんなり入れた。メニューには写真付きで「おや」「ひな」と2種類がある。どちらも890円とお手頃価格。初心者は「ひな」がお薦めとのことで、一見さんらしく「ひな」を注文。これがうまかった。モモ肉を1本、豪快にこんがりと焼いてある。脂がじっとりと沁みだし、皿の上に広がっているのは、熱の通し方がうまい証拠だと思う。肉は柔らかく、表面はこんがり。ビールが進む。さらにスタッフの方のお薦めで、刺身の盛り合わせと香川の地酒「吟醸酒 国重」を一杯。刺身もなかなかだったが、国重がさらによかった。辛口なのだが、口当たりがよく、抑制のきいたうまみがある。赤身、白身、どちらの魚にもぴったりだった。

香りで旅人をもてなす島

翌朝、高松港のフェリー乗り場へ。不案内な旅人に「小豆島ですか」と話しかけてくれたのは、胸にコンシェルジュのカードを下げた男性。「フェリーはあちらのふ頭から。高速艇はここから出航です」と、時刻とともに教えてくれた。親切だなあ。昨日のフロントマンもコンシェルジュも、おもてなし精神をやわらかく発揮していて、これだけでも高松ファンになってしまう。

さて、フェリーに乗って1時間、あいにく曇りの瀬戸内海クルーズ(大げさですが)だったが、甲板の上から海と大小さまざまの島を眺め、潮風に吹かれているだけで、海好きとしては気分がいい。小豆島の土庄(とのしょう)港に近づくと、突然、風がかぐわしくなった。「この香りは?」と思っていると、港の横にごま油で有名な「かどや」の工場が見える。そう、ごまを絞る時の匂いなのだ。小豆島ではオリーブオイルよりも、ごま油の洗礼が先に来るのだった。

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