酒場物語

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二日連続、同じメンバー

翌日の5時半、私たちはアルコールを持って師匠を訪ねた。師匠は得意メニューの一つ、カニ鍋を用意してくれた。カニが終わったら、次は牡蠣を投入。最後はご飯と卵で雑炊に。師匠はママのリクエストに応えて、「お水ちょうだい」と言われれば、席を立つ。
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秋刀魚に思う

「これ、もって帰りなさいよ」と、女将がカボスを2つくれた。塩焼きにした秋刀魚にカボスを絞りかけ、大根おろしとともに口に含む。脂の乗りはもう一つだが、うまくないはずがない。鶴齢のちょっと濃いめの味わいもよい。しみじみ秋である。
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路上ライブの夜に

先日のある晩、私は札幌駅の南口を歩いていた。すると、いい歌声が聞こえてきた。若い女性が広場の隅に座って、ギターを弾いている。オリジナルソングらしい。彼女の名前は「鯨」。私は「デビューしたら教えて」と、なにがしかを黒いギターケースに入れた。
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ラヴレター フロム 佐賀(ススキノ・ゼロ番地のぼんてんにて)

その客が「こんなにおいしい店は、初めてです。地元に帰ったら、お礼にお酒を贈りますよ」と言ったそうだ。で、なんとお金を払わずに帰ったという。女将が「いいわよ」と言ったのか、その客が「今日はタダにしてください」と言ったのか。
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帯広の夜は更けて

7月、8月と、2か月連続で帯広出張をした。「天ぷら てんかつ」で、明るいうちから天ぷらとビールだ。まだ明るい街を一人で歩くと、もう少し飲みたい感じになってくる。というわけで、「彦左衛門」へ。お気に入りの居酒屋で、マグロ料理がいい。
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消しゴムの賢い使い方(ススキノ・勝のやきとり)

私が40年前に通っていた高校で、ある日、教師がこんなことを言った。「〇〇高校、××高校、△△高校、この三つは御三家と言われ、一流だ。では、うちはどうか。1.5流である。なぜなら、教師は一流だが、生徒は二流だからだ」
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鮨屋の親父の塩辛

私には顔なじみの鮨屋が一軒ある。この店主、肺がんのステージ4なのだ。それでも毎日店に立ち、鮨を握る。仕事が趣味のような人だ。「はい、いつものお土産。今日はサクランボもどうぞ」 店を出るときに渡してくれたのは、親父さん手作りのイカの塩辛。
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流政之さんの一周忌

7月7日は彫刻家・流政之さんの一周忌。今も懐かしく思い出すのは、代表作「サキモリ」をかたどった真鍮製のペンダントをいただいたこと。私は「家宝にします」と言って、恭しく拝領した。すると、その時隣にいた編集者が、こう言った。
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ススキノでの虐待をめぐる独演会、その後の出来事

酒場での話題は、時事ネタも多い。千葉で10歳の少女が虐待の末に死亡した事件では、最近母親についての判決があった。その夜、テレビは、児相と警察の連携を伝えていた。すると、「まったく馬鹿ばっかりだよ」と、その客が言い出した。
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初恋の呪縛、あるいはニューシネマパラダイス

「ニューシネマパラダイスが大好き」と、何かのはずみにYさんが言った。往年の名画である。もちろん、私も好きだ。この映画の魅力をひと言でいうなら、「初恋の呪縛」の切なさ、とでも言おうか。
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