本日の一品

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チョンキンマンションのボスは知っている

この本を読み終えたら、思考が少し自由になった気がした。「何だ、資本主義の最末端にいたって、自由に生きられるじゃないか」という気分になれるのである。私も大きな組織に属しているわけではなく、人脈と機会に従って仕事をし、生計を立てている。
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器の少ない男

私は持っている食器が少ない。つまり、「器の少ない男」である。器より中身を満たすのに手いっぱいだったのだ。ところが九州の天草で「うつぎ窯」の主に出会い、その器に愛着がわいた。普段の食事が、実にいい気分なのである。そうなると、もっと欲しくなる。
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突然、マイノリティに

コロナに対して、「感染したら、回復しないかも」という不安だけでなく、「攻撃されるかもしれない」という抑圧への恐怖が含まれているように思う。「抑圧に無自覚な社会」は、南アの白人が黒人に対してそうであったように、弱い人に残酷なのである。
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2冊の二人称小説

「そうだ、二人称小説と言えば、誰だったかな。第二のサリンジャーと呼ばれたアメリカの作家がいるんだが」と、私は知人に言う。だが、小説のタイトルも著者も、まったく思い出せない。あきらめきれずにネット検索した結果、とうとうたどり着いた。
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時にはヘンリー・ミラーのように

仕事場で本棚を見ていたら、映画『ヘンリー&ジューン』のパンフレットが目についた。表紙に映っている、ヘンリー・ミラーの帽子が、私のとそっくりなのだ。もしかしたら、私の無意識がこの帽子を選ばせたのかもしれない。これは運命的な出会いだったのだ。
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7時間18分! 超大作映画「サタンタンゴ」

どのシーンも異様にカメラが長回しで、1つのシーンが延々と続く。それゆえ登場人物の表情、セリフ、動きを子細に追っていかざるを得ない。しばらく観ているうちに、この映画は「私たちの姿を寓意的に、そして引き伸ばして見せている」ことに気づく。
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コーヒー豆は自家焙煎で

あるコーヒー豆焙煎会社の創業者に聞いたのだが、「豆はしっかり焙煎すると、それだけ水分が飛んで軽くなる。うちではダブル焙煎といって、二度焙煎しているので、同じ重量の豆であれば、よその会社よりも豆の量が実質的には多いんです」という。
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ムール貝の饗宴

今日は「蒸したムール貝 サラダ仕立て」である。お互い最近読んだ本の話をし、社会の行く末に思いをいたし、久しぶりに知的刺激をいただいた。その時に師匠が最近読み、面白かった本が『日蓮主義とはなんだったのか』。700ページ近い大著である。
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グラス選びの楽しみ

古民家を利用したギャラリーは、「こんな田舎に?」と思うような場所にある。靴を脱いで上がると、先客が二人いた。ガラスだけでなく、陶器などの作品も並んでいる。ガラス窓から差し込む光が、作品をやわらかく照らしていて、心の落ち着く場所だ。
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飽きのこない酒肴

酒のつまみに何がいいかは、酒飲みにとって永遠のテーマ。「ビールなら枝豆、日本酒は塩辛、赤ワインだったらブルーチーズだな」などとよく思うが、同じものを食べ続けても飽きる。ところが、決して飽きないつまみが、私には一つある。
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